研究課題
申請者らは、科研費交付期間内に1.Y-49の認識する変異型α-tubulinが悪性リンパ腫以外のどの悪性腫瘍で発現するかを更に詳細に検討する。2.変異型α-tubulinの細胞周期制御における役割と意義を検討する。3.変異型α-tubulinが細胞増殖において他の癌関連蛋白とどのような共同作業をするかを検討する。4.変異型α-tubulinの高発現が悪性リンパ腫において独立した予後不良因子であることの細胞生物学的機構を解明する、などを目標とした。申請者らは、平成16年度内に1.免疫組織化学的検討の結果、悪性リンパ腫以外にも胃癌、舌癌、卵巣癌症例で変異型α-tubulinの高発現が独立した予後不良因子であることを確認した。2.悪性リンパ腫、胃癌、卵巣癌の培養細胞株を用いた分子病理学的検討の結果、変異型α-tubulinの発現は細胞増殖に深く関与しており、細胞周期のG1/SとG2/Mに高発現することを確認した。3.免疫沈降法により変異型α-tubulinがp53、PCNAと結合していることが確認されたが、その共同作業についての解明は今後の検討課題となった。4.各種悪性腫瘍において変異型α-tubulin高発現が独立した予後不良因子であったが、その機構解析の結果、変異型α-tubulinの発現と腫瘍細胞の増殖能とが密な正の相関関係にあることが確認されたのみであった。この細胞生物学的機構は細胞増殖能の他に腫瘍細胞の悪性進展の関わりが予想され、この問題について今後の検討課題とした。申請者らは、この2年間の成果に基づき、変異型α-tubulin発現が悪性腫瘍の進展と細胞増殖に関与する細胞生物学的機構を分子病理学的に解析する予定である。
すべて 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (7件)
Mod.Pathol. 17
ページ: 1141-1149
Kitasato Med 33
ページ: 299-309
Oral Oncol. 39
ページ: 829-835
Pathol Ras Prac (in press)
Kitasato Med (in press)
Virchow Arch (in press)