• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

冠動脈硬化巣におけるEcto-ATPDase/CD39の発現と機能

研究課題

研究課題/領域番号 15590305
研究機関宮崎大学(医学部)

研究代表者

畠山 金太  宮崎大学, 医学部, 助手 (60325735)

研究分担者 佐藤 勇一郎  宮崎大学, 医学部, 助手 (90347055)
丸塚 浩助  宮崎大学, 医学部, 助教授 (00239154)
浅田 祐士郎  宮崎大学, 医学部, 教授 (70202588)
今村 卓郎  宮崎大学, 医学部, 講師 (60203329)
キーワードCD39 / ecto-ATPDase / 動脈硬化症 / 急性冠症候群 / 冠動脈アテレクトミー(DCA) / 剖検症例冠動脈 / 免疫染色 / アデノウイルスベクター / 遺伝子導入
研究概要

CD39/ecto-ATPDase(CD39)は血管内皮細胞上に発現し、細胞外ATP、ADPを分解することにより血小板凝集を抑制することが知られている。近年、CD39は血液凝固以外に炎症や免疫反応にも関与することが報告されているが、動脈硬化症や急性冠症候群(心筋梗塞、不安定狭心症、心臓性突然死)との関係は明らかでない。我々の研究目的は(1)狭心症患者の冠動脈アテレクトミー(DCA)標本およびヒト剖検症例冠動脈標本を用いて動脈硬化巣におけるCD39蛋白/mRNA発現の有無、活性およびその局在を検討し、(2)培養血管平滑筋細胞とラット血栓症モデルにアデノウイルスベクターを用いてCD39遺伝子を導入して血小板凝集・血栓形成の抑制作用について検討し動脈硬化の進展と急性冠症候群の予防に繋げること、である。現在までに、不安定狭心症(UAP)20例および安定狭心症(SAP)17例のDCA標本と剖検例15例におけるCD39蛋白とmRNA発現について免疫染色およびRT-PCR法による検討を終了している。冠動脈硬化巣において、CD39発現は中膜・内膜の平滑筋細胞、外膜毛細血管・内膜新生血管の内皮細胞および冠動脈内腔側の内皮細胞に分布していた。また硬化巣の進行度によりあるいは同じ進行度の病変内においても、その局在と発現量に差異を認め、硝子化あるいは大きなプラークを有する病変では、発現の低下を認めた。また狭心症患者のDCA標本におけるCD39陽性細胞率は、SAPに比しUAPで有意に低値を示した。培養平滑筋細胞とラット血栓症モデルによる検討ではCD39遺伝子導入により血小板凝集と血栓形成の抑制作用を認めた。以上の結果よりCD39発現の減弱は硬化巣の進展と急性冠症候群の発症に関与する可能性が示唆され、またCD39遺伝子導入によりそれらを予防しうる可能性が示された。今後、症例数を増やし臨床情報の解析を併せて進めるとともに、CD39の生理機能の検討も進めて行きたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ishikawa T: "Increased adrenomedullin immunoreactivity and mRNA expression in coronary plaques obtained from patients with unstable angina"Heart. (in press).

  • [文献書誌] 畠山 金太: "動脈硬化と血栓症"脈管学. 43. 707-713 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi