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2003 年度 実績報告書

糖尿病網膜症における増殖期病変形成の分子機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590316
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

池田 栄二  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30232177)

研究分担者 岡田 保典  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
野田 航介  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296666)
キーワード糖尿病 / 網膜症 / 血管新生 / VEGF / MMP / 網膜浮腫
研究概要

糖尿病網膜症増殖期の病態は、網膜から硝子体に及ぶ病的血管新生、血液網膜関門の破綻という網膜血管病変に基づくものである。これまで我々は、血管新生には網膜グリア細胞におけるVEGF_<165>とMT1-MMPの産生誘導が中心的役割を演ずることを示してきた。また、網膜血管内皮細胞にtight junctionタンパク質claudin-5が発現していることを見出し、claudin-5の機能異常が血液網膜関門破綻の原因となる可能性を考えている。まず、増殖期病変形成に組織低酸素状態が誘因として働いている可能性を検討した。低酸素状態の細胞の核に局在する転写因子であるHIF-1αが、増殖期病変である線維血管性組織に発現しているかを検索した。その結果、線維血管性組織内のグリア細胞と血管内皮細胞の核に陽性所見が得られ、増殖期病変形成に低酸素状態が誘因として働く可能性が示唆された。そこで、まず家兎網膜からグリア細胞を単離・培養し低酸素状態下にて培養してみた。すると、グリア細胞においてVEGF_<165>とMT1-MMPの産生誘導が示され、さらにMT1-MMP産生誘導は抗VEGF中和抗体の存在により阻害された。即ち、組織低酸素状態により網膜グリア細胞にVEGF_<165>産生が誘導されるとともに、そのVEGF_<165>が間接的にMT1-MMPを誘導することが増殖期病変の血管新生を惹起すると考えられる。一方、血液網膜関門破綻については、マウス脳血管内皮細胞株であるbEND.3を用い解析した。bEND.3を単層培養するとconfluent状態でclaudin-5は細胞膜へ局在するが、低酸素刺激を加えるとclaudin-5の細胞膜への局在が消失するとともに、bEND.3層の電気抵抗が低下、即ち関門機能の低下が示された。以上から、低酸素状態が病的血管新生・血液網膜関門破綻を惹起し増殖期病変形成の誘因として働くことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Noda K, et al.: "Production and activation of matrix metalloproteinase-2 in proliferative diabetic retinopathy."Invest Ophthalmol Vis Sci. 44. 2163-2170 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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