研究概要 |
乳癌におけるホルモンレセプターおよびepidermal growth factor receptor 2(HER2)の発現は、治療薬開発の標的として有用である。ER陰性・HER2陰性乳癌の細胞増殖機構については不明な点も多く、治療戦略上の新たな方向性は示されていない。そこで、本研究においては、ER陰性・HER2陰性乳癌における細胞増殖機構解明を目的として本研究を行なった。 1.ER陰性・HER2陰性乳癌におけるEGFR発現について 前年度の検索により、ER陰性・HER2陰性乳癌においては、EGFR発現の頻度が高いことが明らかになった。EGFR発現が遺伝子増幅によるか否かについて、Fluorescent in situ hybridization(FISH)法、およびchromogenic in situ hybridization(CISH)法により検索した。1/14例(7.1%)に遺伝子増幅が認められたのみであり、乳癌におけるEGFR発現に関する遺伝子増幅の寄与は乏しいと考えられた。 2.oligonucleotide microarrayによる解析 ER陽性・HER2陰性群、ER陽性・HER2陽性群、ER陰性・HER2陽性群、ER陰性・HER2陰性群各10例の新鮮凍結材料を収集し、oligonucleotide microarray(GeneChip【◯!R】(U95Av2,Affimetrix, Santa Clara, CA, USA)により、遺伝子発現解析を行なった。 上記結果については、第44回日本組織細胞化学会(2003,10.東京)、12^<th> International Congress of Histochemistry and Cytochemistry(2004.7,SanDiego, USA)、第63回日本癌学会学術総会(2004,9.福岡)において発表し、論文投稿準備中である。
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