研究課題
基盤研究(C)
[背景と目的]進行期びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の標準治療はCHOP療法であり、約80%の症例が寛解に至る一方で、しばしば治療抵抗性の症例が存在する。これらの治療感受性の差異をもたらす分子遺伝学的特徴を明らかにするために、DNAマイクロアレイを用いて検討した。[方法]治療感受性(S群)のDLBCL6例、抵抗性(R群)の7例についてTakara Bio社のCancer chip version 4.0を用いてgene expression profileを検討した。[結果](1)S群とR群においてStudent t-testにてp<0.05かつそれぞれの平均値の差が3倍以上のもの遺伝子群を抽出した。それらの遺伝子を用いてクラスタリングをかけたところ、S群とR群は明瞭な二つのクラスターを形成した。抽出された遺伝子はPRAME (Preferentially expressed antigen of melanoma)をはじめとする8つの遺伝子がR群でup-regulateされ、CD79aがS群でdown-regulateしていた。(2)両群間で有意に発現が異なる遺伝子の中で、PRAMEに注目し、その発現が臨床経過にどのような影響を及ぼすかを検討するため、77例のDLBCLについてPRAMEの発現をRT-PCRで確認した。77例中23例が陽性を示した。生存期間について、PRAME陽性群は陰性群に比較し、予後不良である傾向がみられた(p=0.0565)。また無病生存期間が判明している45例では12例が陽性で、PRAME陽性群は陰性群に比し有意に予後不良であった(p=0.037)。[結論]PRAMEは一部のDLBCLにおいて化学療法抵抗性に関与し、それが予後不良につながる可能性があることを示した。
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