研究課題
研究計画調書の研究計画・方法の記載の順に記載する。(1)組織の収集、保存:ウエルナー症候群(WS)患者からの組織検体の収集は7例9検体となり、時期の異なる検体を2例から得ることができた。非WS患者からの検体は、表皮・真皮221検体、骨髄51検体、骨格筋20検体を収集した。(2)組織の検定:組織学的に組織を検定した結果は、切断部位の近くでは変性、壊死や炎症が乏しく研究に使用可能であった。(3)DNAの抽出、検定、テロメア長測定:(1)で得られた組織から、キットを用いずにDNAを得て(キットでは50kbp程度の短いDNAが得られる)、ジェノフィールド電気泳動法で200kbp以上であることを確認した。新生児表皮のテロメア長は13.3kbp(8例)、年間短縮率は36bpであり、WS患者の37〜61歳の短縮率は161bpであり、明らかな短縮の加速(3倍)があった。骨格筋のテロメア長7.0〜12.8kbp(39〜61)、骨髄8.5kbp(61歳)、軟骨10.8kbp(61歳)、肘潰瘍部5.6kbp(61歳)、線維芽細胞11.5kbp(41歳)であった。(4)テロメレース活性の検出:非WS患者のTRAP法による陽性率は8%であり、WS患者の陽性率は6%であり、有意差はなかった。(5)hTERT mRNAの検出:我々の考案したプローブを用いたISHの結果は、患者、非患者において、基底細胞とリンパ球がシグナル陽性を示した。酵素抗体法によるテロメレース蛋白の検出は、基底、傍基底細胞と浸潤するリンパ球が陽性を示した。(6)研究論文の進行過程:日本語総説は出版となっているが、英語論文は投稿中。(7)培養細胞株の樹立:2人のWS患者から表皮と線維芽細胞の培養系を確立した。(8)特許:本研究の進行過程で、サザンブロット法よりも正確なPNAプローブを用いたテロメア長測定法(Q-FISH法)に関連する特許を申請した。
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