研究課題
基盤研究(C)
癌の転移関連タンパク質として知られているカルシウム結合蛋白質S100A4が、血管新生関連タンパク質メチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)とカルシウム依存性にin vitroで分子会合すること、マウス血管内皮細胞MSS31の細胞質内では、両蛋白質が共局在しており、その結合部位はMetAP2のN端から170-229番目のアミノ酸に存在することを明らかにした。この結合ドメインをMSS31細胞に過剰発現させると、増殖因子bFGFで誘導してもDNA合成は抑制された。結合ドメインのアミノ酸配列から予想されたペプチド蛋白質の高次構造をもとに4種類の短いペプチドを合成し、合成ペプチドのS100A4に対する結合活性能力をカルシウム依存性を指標として、BIACOREシステムを用いて定量した。その結果、結合ドメインの60aaペプチドの他に、結合ドメイン絞り込みのため新たに合成したペプチドp38(39aa)とp8(30aa)が1mM CaCl_2存在下でGST-S100A4との結合活性を示し、ペプチドp39(38aa)とp9(23aa)がネガティブの結合活性を示した。さらに、p38が結合ドメイン全長の60aaペプチドやp8ペプチドと比較して2倍以上の結合活性を示すことも分かった。従って、MetAP2のS100A4に対する結合ドメインである60aaペプチドのN端側から23-24番目のアミノ酸でペプチド鎖を切断すると結合活性が消失すること、従ってその部分が結合活性保持のために不可欠であること、また、p38のN端の5アミノ酸、C端の4アミノ酸を削ると結合活性が半分以下に低下することなどを考慮すると、p38が最も有効なペプチドである。このp38ペプチドを細胞に導入すると、growth arrestが起こるのか、そこには細胞選択性があり血管内皮細胞に特異的なのか、血管新生が阻害されるのか、明らかにしたい。
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