• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

mi突然変異マウスを用いたマスト細胞数をコントロールする因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590341
研究機関大阪大学

研究代表者

森井 英一  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283772)

キーワードマスト細胞 / 転写因子 / KIT / SCF / 突然変異マウス
研究概要

マウスmi遺伝子座は転写因子MITFをコードするが、このMITFに異常をきたしたmi/miマウスでは皮膚マスト細胞の数が3分の1に減少する。この原因としてマスト細胞の増殖因子stem cell factor(SCF)のレセプターであるKITの発現がmi/miマウスの皮膚マスト細胞で低下していることがあげられる。これまで用いたmi/miマウスは、C57BL/6系統であった(B6-mi/mi)が、戻し交配を行い、WBを遺伝学的背景とするmi/miマウスを作成した(WB-mi/mi)ところ、このWB-mi/miマウスではB6-mi/miマウスと異なり、皮膚マスト細胞数の減少がみられなかった。しかし、B6-mi/miマウス由来マスト細胞と同様、WB-mi/miマウス由来マスト細胞でもKITの発現が低下していた。このことは、KITの発現低下にも関わらず、皮膚マスト細胞の数を維持する何らかの因子がWB-mi/miマウスでは存在することを示す。N2世代のmi/miマウスでマッピングを行ったところ、ゲノム上のSCFをコードする領域近傍にこの因子が存在することがわかった。SCF蛋白の配列をB6系統とWB系統のマウスで比較したが有意な差はなかった。SCFには膜結合型と可溶型の2種類の蛋白があるが、後者の方が皮膚マスト細胞数に重要であることが報告されている。SCF mRNAにはalternative spliceによりlong form(SCF-L)とshort form(SCF-S)の2種類がある。可溶型SCFはSCF-L mRNAからの方が産生されやすい。そこで、B6系統とWB系統のマウスの皮膚におけるSCF-LとSCF-Sの量比を検討したところ、WB系統でSCF-L/SCF-S比が有意に高かった。以上のことより、WB系統のマウスではマスト細胞の数を増加させるSCFの量がB6系統のマウスよりも多く、そのためにKITの発現量の低下にもかかわらずマスト細胞の減少が認められなかったことが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Morii E et al.: "Additive effect of mouse genetic background and mutation of MITF gene on decrease of skin mast cells"Blood. 101. 1344-1350 (2003)

  • [文献書誌] Ito A et al.: "SgIGSF : a new mast-cell adhesion molecule used for attachment to fibroblasts and transcriptionally regulated by MITF"Blood. 101. 2601-2608 (2003)

  • [文献書誌] Jippo T et al.: "Effect of anatomical distribution of mast cells on their defense function against bacterial infections : demonstration using partially mast cell-deficient tg/tg mice"J Exp Med. 197. 1417-1425 (2003)

  • [文献書誌] Joo A et al.: "STAT3 and MITF cooperatively induce cellular transformation through upregulation of c-fos expression"Oncogene. 23. 726-734 (2004)

  • [文献書誌] Kataoka TR et al.: "Strain-dependent inhibitory effect of mutant mi-MITE on cytotoxic activities of cultured mast cells and natural killer cells of mice"Lab Invest. (in press).

  • [文献書誌] Shibayama H et al.: "Identification of a cytokine-induced anti-apoptotic molecule Anamorsin essential for definitive hematopoiesis"J Exp Med. (in press).

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi