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2003 年度 実績報告書

マウス生殖系列成立機構と幹細胞システム制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590343
研究機関大阪大学

研究代表者

木村 透  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50280962)

研究分担者 仲野 徹  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
キーワード始原生殖細胞 / 幹細胞システム / P13キナーゼ / PTEN / Wnt / β-cateninシグナル / germ cell-less
研究概要

本研究では、マウスにおける生殖系列成立の分子機構を明らかにするために、(1)生殖系列成立のシグナル機構、(2)他の動物種において生殖系列成立に必須な分子のホモログの解析を行った。さらに、その成果を他の幹細胞システムにも発展させ、幹細胞システムや未分化性の普遍的制御機構の解明と、その人為的操作法の開発を目指した研究も行った。
1、始原生殖細胞(Primordial germ cell : PGC)特異的ノックアウト・マウスの解析から、P13キナーゼに拮抗するフォスファターゼであるPTENが、生殖系列の成立に必須であること、PTENが欠損するとPGCが全能性をもつ細胞に「脱分化する」ことを明らかにした。さらに、その分子基盤を解析するために、遺伝子発現解析に必要なシングルセルPCRの条件検討を行った。また、他の幹細胞システムにおけるP13キナーゼシグナルの機能を解析するために、P13キナーゼシグナルの強さを制御した幹細胞を作製し、P13キナーゼシグナルがこれらの幹細胞の分化能を制御できるという予備的な結果を得た。
2、上皮系幹細胞で重要な機能を担っているWnt/β-cateninシグナルに注目し、PGC特異的にWnt/β-cateninシグナルが亢進したマウスの解析を作製した。このマウスの解析から、Wnt/β-cateninシグナルがPGCの増殖・分化を制御することを明らかにした。
3、ショウジョウバエのPGC形成に重要な遺伝子であるgerm cell-lessのマウス・ホモログ(mgcl-1)が、精子核のリモデリングという全く異なる機能をもつことを明らかにした。その分子基盤を明らかにするために、mgcl-1に結合する因子の同定を行い、いくつかの候補を得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kuramochi-Miyagawa et al.: "Mili, a mammalian member of piwi family gene, is essential for spermatogenesis"Development. 131,4. 839-849 (2004)

  • [文献書誌] Okamura et al.: "Cadherin-mediated cell interaction regulate germ cell determination in mice"Development. 130,26. 6423-6430 (2003)

  • [文献書誌] Masuhara et al.: "Enhanced degradation of MDM2 by a nuclear envelope component, mouse germ cell-less"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 308,4. 927-932 (2003)

  • [文献書誌] Kimura et al.: "Conditional loss of PTEN leads to testicular teratoma and enhances embryonic germ cell production"Development. 130,8. 1691-1700 (2003)

  • [文献書誌] Kimura et al.: "Mouse germ cell-less as an essential component for nuclear integrity"Mol.Cell.Biol.. 23,4. 1304-1315 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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