研究概要 |
NEDD8はユビキチンと最も高い相同性を有する81アミノ酸からなるタンパク質で,cullinに共有結合することでユビキチン-プロテアソーム系によるタンパク質分解に関与している.我々はNEDD8をbaitにしたyeast-two hybrid法により601アミノ酸からなるタンパク質NUB1を単離し,インターフェロンで誘導されることを明らかにした。さらに抗NEDD8抗体ならびに抗NUB1抗体を作成し,パラフィン包埋切片を免疫染色を行ったところ,NEDD8は比較的広い範囲の正常臓器にも発現していたが,Parkinson病やAlzheimer病などの神経変性疾患に出現する封入体に強い陽性像が得られた.常染色体劣性遺伝形式をとる重度の網膜変性疾患であるLeber先天盲の原因遺伝子のひとつとしてAIPL1が報告されているが,最近NUB1とAIPL1が結合することが報告された.AIPL1は光受容体特異的タンパク質として知られ,網膜に発現するのに対し,NUBIは多くのヒト正常組織で陽性像を示し,とりわけマクロファージに強い発現がみられることを明らかにした.さらに今回行ったNUB1をbaitとしたyeast two-hybrid法による結合タンパク質のスクリーニングにより,NUBI結合タンパク質の候補としてFKBPの一つが単離されたが,これはAIPL1と69%の相同性をもつタンパク質AIPとよく類似したタンパク質であることから,現在も相互作用を解析中である.
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