• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

OGG1遺伝子欠損マウスに生じる肺腫瘍の発生と抑制の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15590347
研究機関九州大学

研究代表者

作見 邦彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (50211933)

研究分担者 古市 正人  九州大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (70199420)
キーワード8-オキソグアニン / MTH1遺伝子 / OGG1遺伝子 / 自然発癌 / 肺
研究概要

8-オキソグアニンがDNA中に生じる経路は,(1)DNA合成時にアデニン(あるいはシトシン)に対して8-oxo-dGTPが取り込まれる場合と,(2)DNA中のグアニンが直接酸化される場合の2つに大別できる。(1)の経路に対しては,8-oxo-dGTPase(MTH1遺伝子産物)が8-oxo-dGTPを8-oxo-dGMPに特異的に分解することによって,また(1),(2)の経路でDNA中に生じてしまった8-オキソグアニンに対しては8-oxoguanine-DNA glycosylase(OGG1遺伝子産物)が働き,DNAからこれを排除することでDNA中の8-オキソグアニンの量を低く抑えていると考えられている。MTH1,OGG7それぞれ単独,および二重の欠損マウスでは,(1),(2)それぞれの経路に対する歯止めがなくなり,その結果DNA中に8-オキソグアニンが大量に蓄積されることが期待できる。これらのマウスを作製,解析した結果,OGG1遺伝子欠損マウスは1年半で約半数に肺のadenoma/adenocarcinomaが発生すること,OGG1・MTH1二重遺伝子欠損マウスではこの腫瘍の発生がみられないことが明らかになった。LC-MS/MSを用いてこれらのマウスのDNAに含まれる8-オキソグアニンの含量を測定したところ,OGG1遺伝子欠損マウス,OGG1・MTH1二重遺伝子欠損マウスいずれも野生型マウスに比べて6倍以上の8-オキソグアニンの蓄積が観察された。平成15年度はC57Bl/6Jに遺伝的背景をそろえたOGG1遺伝子欠損マウス100匹を用いて自然発癌実験を開始すると同時に,DNAマイクロアレイ解析に用いるtotal RNAを調製した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sakumi, K., Tominaga, Y., Furuichi, M., Xu, P.ほか: "Ogg1 knockout-associated lung tumorigenesis and its suppression by Mth1 gene disruption."Cancer Research. 63. 902-905 (2003)

  • [文献書誌] Yoshimura, D., Sakumi, K., Ohno, M., Sakai, ほか: "An oxidized purine nucleoside triphosphatase, MTH1 suppresses cell death caused by oxidative stress."Journal of Biological Chemistry. 278. 37965-37973 (2003)

  • [文献書誌] Hirano, S., Tominaga, Y., Ichinoe, A., ほか(本人第8位): "Mutator phenotype of MUTYH-null mouse embryonic stem cells."Journal of Biological Chemistry. 278. 38121-38124 (2003)

  • [文献書誌] Ichinoe, A., Behmanesh, M., Ushijima, Y.ほか(本人第8位): "Identification and characterization of two forms of mouse MUTYH proteins encodedby alternatively spliced transcripts"Nucleic Acids Research. 32(2). 477-487 (2004)

  • [文献書誌] 作見邦彦, 中別府雄作: "Ogg1ノックアウトマウス"分子呼吸器病. 7. 565-570 (2003)

  • [文献書誌] 作見邦彦, 中別府雄作: "酸化ストレスとがん"BIO Clinica. 18. 1265-1270 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi