研究概要 |
1.前単球細胞におけるIFN-γによるCYBB遺伝子転写促進機構の解析。 (1)IFN-γによるCYBB転誘導現象においてPU.1が量的または質的変化することによって-53PU.1への結合が増大することを明らかにした。 (2)本誘導機構に-53PU.1非依存性の機構が存在し、その機構に-100GAS/-88ISRE機構が関与することを明らかにした (3)IRF-1過剰発現と発現抑制実験により、IRF-1の本誘導機構における重要性をより確かにした。 (4)ICSBPは定常状態でも発現しておりその量は本誘導に十分である可能性を示唆した。 (5)本誘導機構にアデノウイルスE1a蛋白質により活性阻害をうける転写コアクチベーターが関与していることを示した。 (6)PU.1,は定常・IFN-γ誘導共に関与しており、IRF-1は後者のみに関わるというこれまでの私たちの考えを、in vivoにおけるCYBBプロモーターへのこれら因子の結合を示すことにより確かなものにした。 2.マクロファージにおけるIFN-γによるCYBB遺伝子転写促進機構の解析。 U937細胞をPMAで分化させたマクロファージにおけるIFN-γによるCYBB転写誘導においてもCYBB遺伝子の-115塩基から+12塩基の部位が関与していることを示唆した。 3.IFN-γによるCYBB遺伝子発現誘導に影響をおよぼす事が知られている炎症因子の作用機序の解析。 未分化U937細胞並びにマクロファージ分化型U937細胞共にcAMP、プロシタグランジンE2がIFN-γによるCYBB転写誘導に相加的に作用することが示された。 4.樹状細胞の分化におけるIRF-4の役割の解析。 本研究に関連して樹状細胞におけるCYBB遺伝子発現機構を解析した結果、IRF-4がCD11c高発現CD8陰性の樹状細胞の分化に重要であることが世界で初めて見出された。
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