研究課題/領域番号 |
15590374
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田邊 將信 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80051928)
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研究分担者 |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
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キーワード | マンソン住血吸虫 / 中卵性肉芽腫 / 凝固活性化因子(CILIP) / モノクロナル抗体 / マクロファージ / リンパ球 |
研究概要 |
1.BALB/cマウスおよびラット由来のCILIP(凝固活性化因子)に対するモノクロナル抗体(MoAb)を作製した。ラット由来のMoAbはCILIPに対して高い特異性を示し、CILIPの凝固活性化作用を低濃度で、dose-dependentに阻害した。 2.マウス及びラット由来のMoAbを使ったサンドイッチELISA法を開発したが、この方法によりCILIP分子(10〜1500ng)が効率よく検出できた。 3.ラット由来のMoAbはCILIPと良く反応するが、detergents処理でCILIPの構造を破壊すると全く反応しなくなることから、この抗体はCILIP構成分子の立体構造を認識している抗体と考えられた。 4.ラット由来のMoAbはマウス血漿(凝固第VII因子を含む)、あるいは正常マウス脳のトロンボプラスチン(組織因子)とは反応しない。また、マウスの組織因子や凝固第VII因子に対する特異抗体はCILIP構成成分とは反応しないことから、CILIPに存在する凝固活性化分子が組織因子と第VII因子の複合体であるという点に関して疑問が生じた。 5.凝固活性化分子の誘導機構の解析を行い、マクロファージ(Mφ)が主としてCILIPの産生に働いていること、成虫抗原で刺激したCD4^+T Cell、あるいはDX5^+ NK cellがMφに働き、そのCILIP産生を強く誘導しうること、IFN-γおよびGM-CSFといったサイトカインがMφのCILIP産生を強く刺激することが明らかとなった。従って、CILIPの産生には組織内マクロファージが主要な役割を果たしており、宿主免疫機構がその産生誘導に深く関わっていることが明らかとなった。
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