研究課題/領域番号 |
15590376
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
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研究分担者 |
近藤 繁生 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20097786)
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
吉野 昌孝 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70046077)
角坂 照貴 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
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キーワード | ラット糞線虫 / 宿主寄生虫関係 / 大腸寄生 / 排虫 / 肥満細胞 / 抗酸化剤 / DNA損傷 |
研究概要 |
1.ラット糞線虫のラット大腸からの排虫と肥満細胞・好酸球の反応 感染8日目以降、急激に小腸から排虫された糞線虫の一部は大腸に再定着し、20日頃より産卵能力を一時的に回復するが、感染25日頃より再び緩やかな排虫がはじまる。排虫前後の肥満細胞と好酸球の反応を病理組織学的に観察した。小腸前部の肥満細胞数は、感染14日目がピークで901/10VCUに達した。これに対して盲腸では感染25日目に、結腸では32日目にピークがみられ、肥満細胞数はそれぞれ329/10CU、222/10CUであった。いずれのピークも寄生成虫数のピークより5-7日遅い。好酸球の反応ピークは、小腸では寄生成虫数のピークとほぼ同時であり、大腸ではそれより15-20日遅れていた。好酸球数は小腸前部で400以上、大腸で100程度であった。 2.野鼠の大腸におけるラット糞線虫の感染状況と大腸寄生の生物学的意義 名古屋市内の公園やマンホール等で捕獲された68匹のラットを剖検し、ラット糞線虫の寄生部位を検討した。その結果32.4%に大腸寄生を認めた。これは「大腸には寄生しない」という従来の見解と全く相反する。大腸におけるラット糞線虫の寄生数は、平均4.7匹であった。4.7匹の寄生が持つ生物学的な意義を検討するために、一匹の大腸寄生成虫が産生する感染幼虫数を実験的に推定した。その結果、成虫1匹で毎日900以上の感染幼虫が作られることが示された。大腸寄生の成虫が産卵した場合には、間接発育によって自由世代の雌成虫が生じ、産卵数が増幅されるためである。 3.ラット糞線虫のラット腸管内寄生に対する抗酸化剤の影響 BHAなどの抗酸化剤を用いてラットを処理すると、20日以降にみられる成虫の大腸寄生とそれによって生ずる第2の産卵ピークが消失することが観察された。第1の産卵ピーク(感染8日目)は影響を受けない。酸化ストレスと大腸寄生の関わりについて研究をすすめる予定である。
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