研究課題/領域番号 |
15590392
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江原 雅彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70124823)
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研究分担者 |
戸田 隆義 琉球大学, 医学部, 助教授 (30108295)
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (20231798)
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
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キーワード | Non-01 Vibrio cholerae / 組織侵入性 / cpxP / signal transduction |
研究概要 |
弱毒性変異株の作製:コレラ菌のampicillin耐性機構を解析している過程で我々は偶々、fimbriate phaseのコレラ菌Bgd17株が多量にcpxP蛋白を産生することを見出し、昨年の細菌学会で報告した。コレラ菌の染色体遺伝子はすでに決定されており、cpxP geneの配列も知られている。それでcpxPのORFより、cpxPF(5'-AGCCTAATCGATAACGAAAC-3'), cpxPR(5'-GTCGTTCGATTATTGACTAG-3')の2種類のprimerを作成し、Non-01コレラ菌(山下株、血清型019)についてPCRで確認すると、01コレラ菌と同じ位置に明確なbandが見られ、遺伝子配列を調べてみると、01コレラ菌のcpxPと高い相同性を持っていた。アミノ酸配列では142個のアミノ酸のうち、54番目のSerがAsnに変わっているだけで、E.coliで発現させてみても、01コレラ菌由来の抗cpxP抗体で、Western blotでは検出された。SalmonellaやYersiniaではcpxA/Rのtwo component signal transduction systemを抑制すると、細胞侵入性が消失することが知られており、このcpxPはまさにそのinhibitorであることから、Non-01コレラ菌は肝硬変、悪性腫瘍などを基礎疾患としてもつimmunocompromised hostでは創傷感染、胆道疾患、敗血症などの腸管外感染症の発症が数多く報告されているが、特に敗血症の発症が抑制されることが予想される。野生株のコレラ菌ではこのcpxPは発現されていないが、pGEX-3Xのoverproduction vectorに繋いで、electroporationでNon-01コレラ菌に戻して、変異株を作製した。
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