研究課題/領域番号 |
15590400
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
長岡 功 順天堂大学, 医学部, 教授 (60164399)
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研究分担者 |
桑原 京子 順天堂大学, 医学部, 助手 (10167976)
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キーワード | 敗血症 / 好中球 / アポトーシス / エンドトキシン / サイトカイン / 単球・マクロファージ / Toll-like receptor / インテグリン |
研究概要 |
[目的]敗血症は救急救命治療の発達した先進国においてもいまだ高頻度に致死的経過をたどる重篤な病態であり、その多くにグラム陰性菌感染が関与している。敗血症では、LPS刺激によって好中球のアポトーシスが抑制され、活性化された好中球が組織障害、さらに、多臓器不全の進展に関わることが知られている。申請者は、今までに好中球由来の内因性防御因子であるCathelicidinファミリーの殺菌ペプチド・CAP11が、エンドトキシンショックにおいて防御的に働くことを明らかにしている。そこで本研究では、LPS刺激による好中球のアポトーシス抑制に注目し、そのメカニズムを解明し、さらに、それに対するCAP11の効果を検討した。 [結果]好中球のアポトーシスをannexin V-FITCとpropidium iodideによる蛍光染色・Flow cytometry法で検出したところ、LPS刺激によって好中球のアポトーシスが抑制された。そして、CAP11の添加によってLPS刺激による好中球のアポトーシス抑制が顕著にブロックされ、アポトーシスが誘導されることがわかった。また、好中球をLPSで刺激するとNF-κBの活性化、ERKのリン酸化、抗アポトーシスタンパク質Bcl-XLの発現、caspase-3活性の低下が認められたが、CAP11はLPSによるこれらの細胞内変化を抑制した。さらに、LPS刺激による好中球のアポトーシス抑制は抗Mac-1(CD11b/CD18)抗体、抗Toll-like receptor(TRL)4抗体によってブロックされることがわかった。 [結語]Cathelicidinファミリーの殺菌ペプチドCAP11は、エンドトキシンショックにおいて、好中球におけるMac-1/TLR4を介したLPSのシグナル伝達をブロックすることにより、好中球のアポトーシスを誘導し、臓器障害を緩和する可能性が考えられた。
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