研究課題/領域番号 |
15590404
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
片山 誠一 岡山理科大学, 理学部, 講師 (70169473)
|
研究分担者 |
松下 治 香川大学, 医学部, 助教授 (00209537)
|
キーワード | Clostridium perfringens / ホスホリパーゼC / 転写調節 / phased A-tracts / bent DNA / RNAポリメラーゼ / αサブユニット / 共結晶化 |
研究概要 |
結晶化のために作製したウェルシュ菌RNAポリメラーゼの10×His-αサブユニットは24残基ものアミノ酸をN末端に付加している。この長いポリペプチドが立体構造に影響を及ぼす可能性が考えられたので、N末端にMet-6×Hisの7残基のアミノ酸のみを付加させた6×His-αサブユニットを作製し、大量精製を試みた。その精製量は、1リットル培養液当たり、11mgで目標としていた50mgには及ばなかった。Joshua Sakon博士(米国:University of Arkansas)との討論では、phased A-tracts DNA断片(33bp)とHis-αサブユニットあるいはHis-αCTD(C末端ドメイン)と25℃で結合させ、その結合体が共結晶化できるほど、安定した構造を保っているか調べる必要があると指摘された。この辺の問題点が残されているので共結晶化までは残念ながら至らなかった。 Phased A-tracts DNA断片(33bp)とαCTDとの低温依存性相互作用に関与するアミノ酸の同定には、RNAポリメラーゼ(RNAP:α2、β、β'、σ)の再構成実験が欠かせない。この考えから、ウェルシュ菌におけるRNAポリメラーゼの再構成法の確立をめざして研究を進めた。封入体となったβ、β'サブユニットを尿素で、σサブユニットを塩酸グアニジンで可溶化し、再構成したところ、わずかながら転写活性がある標品が得られた。(精製標品の数百分の一程度)さらにαサブユニットの代わりにαNTD(N末端ドメイン)を用いた場合でも同程度の転写活性がみられた。このことは、アミノ酸置換を行ったαCTDでも再構成が可能であることを示唆している。RNAPの再構成系を用いることにより、phased A-tracts DNAあるいは転写因子によるαCTDを介した転写調節メカニズムの研究が将来飛躍的に進展することが期待される。
|