研究課題/領域番号 |
15590420
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
藤田 美歌子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00322256)
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研究分担者 |
足立 昭夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90127043)
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キーワード | HIV-1 / アクセサリー蛋白質 / Vif / プロテアソーム分解 / ユビキチン化 / Cullin / リジン / ウイルス複製 |
研究概要 |
本研究は、HIV-1アクセサリー蛋白質Vifのプロテアソーム分解によるウイルス複製制御の本態解明を目的としている。具体的には(1)プロテアソーム分解のメカニズム(2)プロテアソーム分解量の調節のメカニズム(3)分解のウイルス増殖における意義を明らかにすることを目指し、本年度は(1)と(3)において以下の成果を得た。 (1)プロテアソーム分解に必要なユビキチン化にCullin蛋白質が関わるかどうか明らかにするために、まず免疫沈降実験を行った。その結果VifとCullinの結合が見られることがわかった。この結合のユビキチン化における役割を今後明らかにしたい。また、分解に関わるリジンを同定するためにリジンをアルギニンに変えた変異体を多数構築し(リジンがユビキチン化を受ける)、定常状態における発現レベルをウエスタンブロット法により調べた。その結果、全領域にわたるリジンが分解に関わり得るが、特にC末端に存在する179番目のリジンが分解に高い感受性を持つことが示唆された。また、N末端に位置する22、26、34、36番目のリジンが次に高い感受性を持つことも示された。(3)Vifに存在する16個全てのリジンをアルギニンに変えたところ、発現レベルが野生株と比べて非常に高く、かつウイルス感染性付与能がないことがわかった。この事実は、Vifのプロテアソーム分解がウイルス複製に必須であるということと一致する。
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