研究概要 |
研究の目的 1 末梢ニューロンに於けるアポトーシス発生とウイルス神経侵襲性との関連性について検討する 2 ウイルス感染による中枢ニューロンのアポトーシスに於けるMAP kinaseの関与について検討する 3 単純ヘルペスウイルス(HSV)アクセサリー遺伝子(US3&US11)によるニューロナルアポトーシス抑制機構について検討する 結果および考察 1 US11にはprotein synthesis shutoff抑制機能に加え、intercellular trafficking activityが認められ、ニューロンの核に集積することが今回の実験で明らかとなった。In vivo transfectionによりpEGFP-US11を脳内に発現させたが、アポトーシス抑制効果は明らかでなかった(Mori et al.Molecular Brain Research 2005,in press)。 2 HSVはフェロモン検出器官である鋤鼻器官に感染し、中枢神経系内に進入することが判明した。脳内において、HSVは解剖学的に連絡がある神経核(扁桃体など)をターゲットとした。鋤鼻器官における感覚ニューロンにアポトーシスは検出されなかったが、中枢感染ニューロンはアポトーシス陽性を呈した。RSVは末梢神経系におけるアポトーシスを抑制することにより、中枢神経系への侵入を容易にする、という仮説を支持する結果を得た(Mori et al.Reviews in Medical Virology 2004;14:209-216;Mori et al.Virology 2005;334:51-58)。
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