研究概要 |
1.HLA-*2402拘束性のLMP2エピトープの細胞内プロセッシング機構解析 申請者が同定したEBV-LMP2エピトープIYVLVMLVL(LMP2;222-230)はインターフェロンガンマ処理細胞でのみ提示される(Kuzushima et al.,BLOOD,2003)。このプロセッシングに必要な、インターフェロンガンマによって発現が誘導される蛋白(免疫プロテアソーム等)を決定するすために、以下の実験を行った。 1)EBV-LMP2、HLA-A*2402、免疫プロテアソームを構成する名サブユニット(lmp2、lmp7、MECL1、PA28)それぞれのcDNAをクローニングし哺乳類細胞発現ベクターに組み込んだ。 2)EBV-LMP2およびHLA-A*2402を発現するHEK293T細胞に上記の免疫プロテアソーム各サブユニット(lmp2、lmp7、MECL1、PA28)遺伝子を様々な組み合わせで導入した。 3)遺体子導入したHEK293T細胞とEBV-LMP2エピトープIYVLVMLVLに特異的なHLA=A*2402拘束性CTLクローンを混合培養し、エピトープに反応したCTLが放出するインターフェロンγをenzyme-linked immunospot assayにて検出した。 以上の実験より、エピトープIYVLVMLVLの生成には、免疫プロテアソーム・サブユニットのうちlmp7、PA28が必須でありlmp2は補助的に働くことを見出した。現在、lmp7、PA28およびlmp2の発現をそれぞれ抑制するshort interfering RNAを合成し、これらのサブユニットの役割を検証する実験を計画している。 2.EBV-LMP1特異的CTLが認識するエピトープの同定 EBV-LMP1に特異的なCTLが認識するアミノ酸配列(エピトープペプチド)を同定する目的で、抗原提示細胞に、LMP1のmRNAを導入するシステムを確立した。既に、複数のCTLクローンを樹立し、エピトープの同定を進めている。
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