研究概要 |
1.DNA組換え関連蛋白のユビキチン化の有無の検討。 我々は、His-tagユビキチンベクターを使用したin vivoユビキチン化検出法を確立している。この方法によれば、cDNAを組み込んだ発現ベクターさえあれば、簡単に細胞内での蛋白のユビキチン化が検定できる。すでに検定済みのXRCC4,RAG2以外のV(D)J組換え酵素にはRAG1,DNA-PKcs,Ku70,Ku80,Ligase IV,Artemisなどがあり、また、クラススイッチ関連蛋白としてはAIDがある。これらの蛋白遺伝子発現ベクターを構築し、いくつかの蛋白がユビキチン化されることを見出した。 2.新規ユビキチン化蛋白の生化学的解析。 今回新規にユビキチン化が見出された蛋白の一つは、核移行シグナルの他に核外移行シグナルを有し、RAG2と同様な輸送機構の関与が予想された。すなわち、活性誘導時には核内へ移行し、組換え反応終了と同時に核外へ輸送され、そこでユビキチン化され、プロテオソームで分解されるものと考えられた。 3.脱ユビキチン化酵素の関与。 今回新規にXRCC4結合蛋白質として、脱ユビキチン化酵素の一つを単離した。この酵素はポリユビキチン鎖を切断し、ユビキチンのターンオーバーを促進する機能を有していた。組換え局所での脱ユビキチン化が、組換え制御に深く関与することが示唆された。
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