研究課題/領域番号 |
15590460
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
八木 文雄 高知大学, アドミッションセンター, 教授 (60124814)
|
研究分担者 |
倉本 秋 高知大学, 医学部附属病院, 病院長(教授) (10153371)
瀬尾 宏美 高知大学, 医学部附属病院, 教授 (80179316)
大塚 智子 高知大学, アドミッションセンター, 教務職員 (70335933)
|
キーワード | 入学者選抜 / 態度評価 / 評価尺度 / AO入試 / 学士編入学 / 問題解決能力 / Skills Analysis / 医学部 |
研究概要 |
高知大学医学部(旧高知医科大学)医学科では、平成3年度まで、高校主要教科の厳密な枠の中における記憶にもとづく知識量の評価による入学者選抜を実施してきたが、この方式では、医療従事者に不可欠な基本的資質である問題解決能力の評価がきわめて困難であることが、入学後の追跡調査から判明した。そこで、平成4年度から、本邦で唯一の高知医大方式問題解決能力試験(KMSAT)を導入することにより、この問題がある程度解消された。しかし、現在われわれが直面している最大の問題は、入学後の教育によっても、コミュニケーション能力、基本的態度、協調性などの情意・技能面に改善が認められない学生が少なからず存在するという事実である。これらの情意・技能面における資質は入学以前の家庭教育に大きく依存するため、その評価は短時間の面接では不可能である。こうした現実に直面する問題の解消を目的として、入学者選抜に長時間に渡る情意・技能面の態度評価を、平成15年度からのAO方式(入学定員20名)と平成13年度からの学士3年次編入学(同5名)に導入した。 そこで、本研究では、これらの各方式で入学した学生を対象として、他の方式で入学した同学年の学生および教官によるピア・レヴューを実施し、入学後における情意・技能面での態度を、昨年度に引き続き、多変量解析法にもとづき調査・分析した。その結果、入学者選抜段階と入学後における態度評価スコアに高い相関が認められ、現在の入学者選抜において用いている態度評価尺度の妥当性が検証され、その成果を「医学教育」に公表した(印刷中)。今後、これらの入学者の追跡調査を卒業および卒後臨床研修段階まで継続的に実施することにより、この態度評価尺度の妥当性に関する調査・分析をさらに推進させる予定である。
|