研究課題/領域番号 |
15590466
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小山 豊 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00215435)
|
研究分担者 |
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
|
キーワード | グリア細胞 / アストロサイト / 脳浮腫 / 血液脳関門 / 脳血管内皮細胞 |
研究概要 |
アストログリア-脳血管内皮細胞共培養系におけるBBBモデルの構築:血液脳関門(BBB)を担う脳血管内皮細胞の物質透過障壁は、隣接するアストログリアにより形成される。そこでアストログリアと脳血管内皮細胞の共培養によるin vitro BBBモデルの作成を行った。ニトロセルロース膜上に単層培養されたマウス脳微小血管由来細胞株bEnd.3のマーカー分子に対する透過障壁性は、ラット初代培養アストログリアとの4-6日の共培養により約3倍に高まった。このin vitro BBBモデルにおいて、脳傷害時にアストログリアが産生するエンドセリンは、マーカー分子の透過性を増加させた。bEnd.3細胞に対し、エンドセリンは細胞内Ca濃度の増加と細胞骨格アクチンの再構成を引き起こした。これらのことは、アストログリアが脳血管内皮細胞の透過障壁性を高める因子および低下させる因子の両者を産生していることを示唆する。また、末梢の血管内皮細胞の物質透過性を高めるトロンビン、VEGFおよびアンジオテンシンIIもbEnd.3の透過性を高めることが示された。 新規Na-Ca交換系阻害薬の脳浮腫抑制作用:In vivoの脳浮腫モデル作成のため、ラジオ波による脳傷害後の浮腫形成を検討した。ラジオ波傷害は脳浮腫の指標である水分含量の増加とEvans Blue(EB)とSodium Fluorecein(SF)の脳組織への漏出を起こした。新規Na-Ca交換系阻害薬SEA400は、これら脳浮腫指標の増加を抑制した。
|