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2003 年度 実績報告書

薬物輸送蛋白質の発現からみた薬物排泄の肝腎臓器相関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15590473
研究機関近畿大学

研究代表者

上硲 俊法  近畿大学, 医学部, 助教授 (20233934)

キーワード薬物輸送蛋白質 / ABCトランスポーター / 臓器相関 / ビリルビン / 胆汁酸
研究概要

肝病態時の薬物代謝の臓器相関を明らかにする為、閉塞性胆汁うっ滞時および肝内胆汁うっ滞時におけるABC transporterの発現の変動を研究した(なお計画書段階では肝臓、腎臓、における検討を行うとしたが、小腸のABCトランスポーターの発現に関しても併せて検討した)。
1)閉塞性胆汁うっ滞(OJ)時における肝臓、腎臓、小腸のABCトランスポーターの発現
ラットに胆管結紮を行い経時的な血清生化学検査および肝臓、腎臓、小腸におけるABC transporterのmRNA発現を観察した。MRP2の発現は肝臓において結紮1日目から低下した(-32%)が、腎臓においては結紮1日目には上昇し、3日目以降に低下した。小腸においては結紮7日目において発現は著増した(+222%)。MRP3の発現は肝臓において著増した(結紮7日目には+508%)が、腎臓、小腸においては有意は変動はみなかった。Bile salt export pump (BSEP)は肝臓において有意は変動はみなかった。MDR2は肝臓において発現増加を見なかった。
2)肝内胆汁うっ滞時における肝臓、小腸のABC transporterの発現
肝内胆汁うっ滞モデルはラットにethinylestradiol (5mg/kg,5days)投与を行った群(EE群)、ethinylestradiol投与に加えdiosgenin含有飼料(1%wt/wt)投与を行った群(DE群)により作成した。血清生化学検査、胆汁中へのbilirubin, bile acid排泄および肝臓、小腸におけるABC transporterのmRNA発現を観察した。血清生化学パラメーター、胆汁中へのbilirubin, bile acid排泄により、DE群はEE群に比して胆汁うっ滞の程度は増強されていた。MRP2の発現は肝臓、小腸においてEE群、DE群ともcontrolに比して有意差はなかった。結紮1日目から低下した(-32%)が、MRP3の発現は肝臓においてEE群、DE群とも著増しており(EE群:+531%,DE群:+1164%)が、小腸においても両群とも軽度増加していた。BSEPは肝臓において有意は変動はみなかった。MDR2は肝臓においてDE群において発現増加を見た。
OJ群の血清胆汁酸は結紮1日目に上昇したが、3日目以降には結紮1日目に比して低下した。3日目以降の胆汁酸濃度減少は腎臓からのbile acid排泄増加によると考えられているが、本検討における小腸MRP2発現の増加は小腸における胆汁酸排泄も寄与している可能性を示唆している。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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