研究課題/領域番号 |
15590475
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
甲斐 麻美子 福岡大学, 薬学部, 助手 (50289550)
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研究分担者 |
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 助教授 (60281531)
片岡 泰文 福岡大学, 薬学部, 教授 (70136513)
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キーワード | 更年期 / hot flush / hot flushモデルマウス / ニフェジピン誘発flushing / hot flush治療法 / ホルモン補充療法 / 大豆イソフラボン / スタチン系薬剤 |
研究概要 |
hot flushは更年期不定愁訴の中で最も発症頻度の高い症状である。卵巣の老化により二次的に発生する血管の機能異常と捉えることができるため、治療法としてはestrogen補充療法に加えて血管内皮あるいは血管平滑筋の機能改善が有効と考えられる。そこで本研究の目的はhot flushの血管系における発症機序の解明と、estrogen補充療法の実現可能な代替療法の探索である。今年度は基礎検討として、(1)hot flush動物モデルの開発、(2)大豆イソフラボン等のhot flush軽減効果の評価を行った。 (1)hot flush動物モデルの開発 Ca拮抗薬ニフェジピンによるhot flush発現を、マウス尾表面温度の上昇を指標にして卵巣摘出(ovx)およびエストラジオール補充(EST)の影響について検討した。その結果、非降圧量のニフェジピンにより尾表面温度は用量依存的に上昇し、ovx群ではsham群に比較して増悪した。また尾表面温度上昇はESTにより改善した。これらの結果から、更年期ではエストロゲンの減少によって末梢血管系の調節機能が衰えているため、ニフェジピンの血管拡張作用に対し過度に反応したと考えられる。またovxマウスにおけるニフェジピン誘発尾表面温度上昇は、更年期hot flushモデルとして有効であることが示唆された(甲斐、文献1)。 (2)大豆イソフラボン、スタチン系薬剤のhot flush軽減効果の検討 ovx群に大豆イソフラボン(Soya flavone HG)10mg/kgを5日間連続投与することにより、投与しない群と比較してニフェジピン誘発hot flushは有意に抑制されたことから、大豆イソフラボンは更年期hot flushに対する予防効果が期待できる(論文投稿中)。スタチンについては検討中である。
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