研究課題/領域番号 |
15590482
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
太田 浩良 信州大学, 医学部, 教授 (50273107)
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研究分担者 |
佐野 健司 信州大学, 医学部, 講師 (50205994)
川上 由行 信州大学, 医学部, 教授 (90283275)
藤田 清貴 信州大学, 医学部, 助教授 (90313866)
勝山 努 信州大学, 医学部, 教授 (90020809)
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キーワード | ヘリコバクター・ハイルマニー / 慢性胃炎 / 胃潰瘍 / 胃MALTリンパ腫 / 動物モデル |
研究概要 |
本年度、我々はH.heilmannii感染ヒト胃粘膜病変の検討、マウスおよびスナネズミを用いたH.heilmannii感染動物実験モデルの開発、H.heilmannii分離培養法の開発と糞便を用いたH.heilmannii感染の遺伝子診断法の開発を試みた。ヒト胃生検組織の観察から、H.heilmannii感染によりヒト胃粘膜に惹起される病変は、軽度の慢性胃炎を主体とするが、希に胃潰瘍およびMALTリンパ腫が惹起されることが確認され、H.heilmanniiの除菌により、これらの病変が治癒することが確認された(第45回日本消化器病学会大会で発表)。H.heilmannii感染陽性者の胃粘膜組織をホモジナイズしてマウスおよびスナネズミに経口投与することによりH.heilmannii感染動物モデルが作製できた。H.heilmannii感染動物モデルにみられる胃粘膜病変の経時的観察により、H.heilmannii感染により惹起される慢性胃炎の進展過程を観察することができた(第16回欧州ヘリコバクター会議にて発表)。現在さらに経時的変化の観察中である。H.heilmannii分離培養法の開発に関しては、H.heilmannii感染動物の胃粘膜のホモジナイズから、H.heilmanniiを回収するための免疫磁気ビーズ法の条件を検討中である。H.heilmannii感染の遺伝子診断法の開発に関しては、H.heilmanniiに特異的なprimer(16SrRNA遺伝子領域)を設定しnested PCRを行うことにより、H.heilmannii感染動物の胃粘膜のホモジナイズからH.heilmanniiを同定することができた。現在、H.heilmannii感染動物の糞便中のH.heilmanniiの同定条件を検討中である。
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