研究課題
基盤研究(C)
本研究では、病理組織学的、疫学的、血清学的、および分子生物学的手法を用いて、H.heilmannii感染と胃粘膜病変との関わり検討した。ヒト胃生検組織の検討により、1)本国におけるH.heilmannii罹患率は0.1%で、2)大部分の症例は慢性胃炎を示しているが、3)低悪性度胃原発マルトリンパ腫(MALToma)との関わりも高く、4)H.heilmanniiの除菌はH.heilmannii関連胃MALTomaの治療に有効であることが示された。一方、スナネズミを用いたH.heilmannii感染胃粘膜の長期観察により、1)H.heilmanniiにより、潰瘍の発生はみられないものの、2)慢性胃炎が惹起され、3)H.pylori感染と比べ、胃粘膜には高度の慢性炎症性細胞浸潤が長期に持続して、MALTom様の病変が高率に発生することが確認された。これらの結果は、ヒト胃生検組織による検討に一致するものであった。スナネズミ感染モデルの検討により、H.heilmannii感染スネネズミ胃粘膜にみられる病態は、H.pylri感染胃粘膜にみられるものとは異なっていることが示され、H.pylri感染スナネズミ胃粘膜では、1)Th1およびTh2サイトカインの変動と2)CagA PAI胃粘膜病変と関連が確認された。また、H.heilmannii感染スナネズミの胃粘膜に、高度の慢性炎症が認められることより、免疫応答が起こっていることが推測され、H.heilmannii感染スナネズミ血清とH.pylori感染スナネズミ血清を用いることにより、H.heilmanniiにより特異性の高い抗原を見出した。今後、この抗原の精製により、ヒトにおけるH.heilmannii感染血清診断法が確立でき、H.heilmannii感染症の実態がより明らかになるものと期待される。
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