研究課題/領域番号 |
15590492
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
栗山 一孝 長崎大学, 大学教育機能開発センター, 教授 (90128174)
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研究分担者 |
波多 智子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10346968)
宮崎 泰司 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40304943)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / FAB分類 / WHO分類 / 遺伝子変異 / 個別化治療 / デジタルカメラ付顕微鏡 / 画像情報 / 中央診断システム |
研究概要 |
急性骨髄性白血病(AML)の治療は、画一的薬物療法から遺伝子異常に基づいた個別化治療へ向かう途上にある。したがって、成人白血病治療研究グループであるJapan Adult Leukemia Study Group (JALSG)においても、従来のFAB分類(形態学的分類)から特異的染色体・遺伝子変異による分類法(WHO分類)へ転換を図っていく必要がある。すなわちWHO分類を基点とした中央診断システムを再構築して、個別化治療の本格的到来に対応すると共にWHO分類の特徴と有用性を検討し、我が国におけるAML/WHO分類のEvidence Based Medicine (EBM)を確立する。また、形態診断の質を高めるために細胞形態をデジタル画像化して診断情報に組み込む中央診断システムも確立する。 現行のJALSGにおける中央形態診断システムは、各施設から診断センターに送付されてくる未染塗抹標本についてメイギムザ、ペルオキシダーゼおよびエステラーゼ染色を行い、FAB分類による形態診断を行い、各施設に報告していた。本研究では、これに加えてWHO分類による診断結果と形態学的診断根拠を画像情報として報告することとした。 15年度は、この目的のためにデジタルカメラ付顕微鏡を購入し、様々な検討を行ってきた。 当初高倍率(600〜1000倍)のデジタルカメラによる撮影は、色調および解像度においてフィルム撮影に及ばないと感じられた。しかし、撮影条件を一つ一つ検討していく一方デジタルカメラ製造元による撮影ソフトのバージョンアップが行われ、画像の質は飛躍的に改善されフィイルム写真と遜色がない段階に達した。ここにおいて撮影条件はほぼ確立したと考え、次に画像情報の配信について検討を開始した。添付書類としてインターネット(e-mail)を介して支障なく転送できることが確認でき、画像情報を加えた診断報告システムは整備された。次年度早々には、JALSG参加施設の了承と診断情報の機密保持を確立して各施設への報告を開始する予定である。
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