研究課題/領域番号 |
15590497
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
陳 戈林 昭和大学, 医学部, 助手 (60266111)
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研究分担者 |
福地 邦彦 昭和大学, 医学部, 助教授 (70181287)
高木 康 昭和大学, 医学部, 教授 (30138490)
五味 邦英 昭和大学, 医学部, 教授 (60053980)
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キーワード | Helicobacter pylori / PCR / cagA / cancer |
研究概要 |
平成17年度は、昨年度に引き続き、E-test法により、臨床分離株68株のH.pyloriのamoxicillin(AMPC)、clarithromycin(CAM)およびMetronidazole(MNZ)3剤に対する感受性パターンを検討した。68株すべてでAMPCの耐性株は認められなかった。MNZの耐性株は68株中2株で、耐性率が約2.9%であった。CAMの耐性株は68株中19株あり、耐性率が約27.9%であり、平成15年の11.4%と比べ高い耐性率であった。 さらに、次に示す4系統の検体を使用して、PCR法により、H.pyloriの病原因子cytotoxin-associated geneA(cagA)の検索を行った。(1).除菌療法が施行された22症例の治療前後の38株。(2).14症例の胃前庭部と胃体部大弯の2カ所からの28株。(3).胃ガン・胃MALTリンパ腫症例の15株。(4).(1)〜(3)とは異なる患者から分離された27株である。その結果、(1)の38株のうち、除菌療法を受けて成功した8症例9株および失敗した14症例29株、(2)では14症例の2カ所からの28株のすべて、(3)では胃ガン・胃MALTリンパ腫症例の15株中14株、(4)については27株中26株がcagAを保有していた。欧米の分離株では、cagAが60〜70%存在するのに対し、本邦では、臨床分離株の95〜100%がcagAを保有しているとの報告があり、我々の結果はその報告と一致した。現時点ではcagAの保有は、H.pyloriによる発症、あるいは予後診断の指標とならないことが示唆された。
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