研究課題
基盤研究(C)
本研究は、代表者らにより新規に単離・抽出された大腸癌特異的発現物質ブラディオン(Bradeion)を用いた癌特異的診断技術の開発と、最終的には治療技術開発(創業も含む)を目的とする。平成15年度は、患者検体を用いてブラディオン分子(遺伝子およびタンパク質)の有用性を実証した(論文4)。すなわち、ブラディオン遺伝子やそのタンパク質の測定による大腸癌の診断を、発現遺伝子検査法(リアルタイムRT-PCR法)(特許出願中)と、検体中のブラディオンタンパク質をモノクローナル抗体で検出するイムノクロマトグラフィー法(通称テストストリップ法)の、2つの独立した系によって調べ、有用であることを示した。現在、さらに多くの患者検体を用い、実用化に向けて感度・特異度を改良中である。平成16年度は、ブラディオンが癌細胞の加速された細胞分裂を可能にするエネルギー供給システムの核となるGTPaseであることを、新たな簡易測定法を開発し(論文1)、その酵素活性を測定することで証明した(論文2)。また、論文3に用いた技術により、ブラディオンタンパク質の構造解析のための結晶化に成功した(論文2)。現在、その結晶の構造解析を行い、活性中心特異的阻害剤を探査中である。さらに、同定したブラディオンタンパク質のGTPase酵素活性部位の遺伝子配列を発現ベクターに挿入し発現させ、GTPaseタンパク質を純化し、それに対するモノクローナル抗体を作製した。この抗体や、既に作製済みのブラディオンタンパク質全体に対するモノクローナル抗体を用い、大腸癌培養細胞や患者組織で免疫組織化学を行い、癌特異的染色の有無や細胞内局在部位を特定した。さらに、治療技術の一つとして、RNA干渉技術を用いたブラディオン塩基配列特異RNAiを設計し、大腸癌培養細胞に導入し、その細胞への影響を調べた。現在アデノウイルスベクターを用い、培養大腸癌細胞への影響を調査中である。
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