研究概要 |
各種ホルモンのPC12細胞アポトーシスへの影響 対象として我々の研究グループで継代培養しているPC12細胞を用いた。PC12細胞の培養液中に異なった濃度の各種ホルモン(Nonylphenol,糖質コルチコイド)を加え,血清を抜いた培養液に交換してアポトーシスを発生させ,その発生頻度をDNAのラダーパターンと,TUNEL(TdT-mediated dUTP-biotin nick end labeling)法により検討した。電気泳動によりDNAのラダーパターンを観察して,アポトーシスの発生の確認行った。一方、TUNEL法では、アポトーシスが発生した細胞を発色によって観察した。また,これらの作用をアポトーシスの機序の面から確認するために,アポトーシスを冗進する因子としてBad, Baxを抑制する因子としてBc1-2の活性を測定した。 これらの実験の結果,Nonylphenol投与では100ng/ml以下でもアポトーシスを亢進することが認められた(2004 Aoki et al.)。一方,糖質コルチコイドは100nMから10μMの濃度範囲でPC12細胞の培養液に投与したところ,濃度上昇に伴いアポトーシスを抑制することが示唆された。 海馬長期増強の観察手法の確立 対象は4週齢のラットから摘出した海馬切片とした。切片は摘出後,倒立型共焦点顕微鏡に設置された人工脳脊髄液(ACSF)が潅流され35℃に保たれたチェンバー内に移す。そして,上方から刺激および細胞外記録電極をCA1領域に刺入し,EPSPを確認する。このような電気生理学的な手法ならびに,電位依存性染色による二次元画像の記録手法を確立し発表した(2003 Hosokawa et al.)。
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