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2005 年度 実績報告書

地域における児童虐待の早期発見のシステム作りに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15590541
研究機関金沢大学

研究代表者

関 秀俊  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60171328)

キーワード児童虐待 / 軽度虐待 / 育児感情 / 対児感情
研究概要

児童虐待を早期に発見するシステムを構築するために、虐待状況にいたる前段階の育児状況を把握するために、1)軽度虐待傾向にある家庭における対児感情と育児感情の両親間での相互作用と、2)育児における暴言と暴力の程度と育児困難性の相関を検討した。
両親間で対児感情3因子と育児感情4因子は正の相関関係を示しており、両親間で類似した感情を抱く傾向にあった。両親またはいずれかの親が軽度虐待傾向になる家庭は30%存在し、軽度虐待傾向に発展する非受容的育児感情は、父親より母親で強くなっていた。各家庭の軽度虐待傾向は、両親の子どもを「面倒な存在」と捉える育児感情と、父親の「不安,対処困難感」を抱く育児感情が強くなると増加する関係にあるが、母親の「受容的育児感情」は抑制的に作用していた。
また、暴言と暴力から評価した虐待傾向にある母親では、自分自身の両親や自分の子どもとの相性が良くない、妊娠を望んでいない、育児の完壁さを求める、夫と気持ちが通じないなどの要因が有意に多く、さらにこれらの因子が多いほど虐待の程度も悪化する傾向を認めた。
以上より、虐待を早期に発見または予防するためには、軽度虐待にある家庭を検診場面で発見し、父親の育児場面への参加を促し、両親の子どもに対するポジティブな感情を結婚前の早期から涵養することが重要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 中学生の日常的ストレスにおけるレジリエンスの意義2006

    • 著者名/発表者名
      長田 春香
    • 雑誌名

      小児保健研究 63・2(印刷中)

  • [雑誌論文] 軽度の虐待傾向に関与する両親間における対児および育児感情の相互作用2005

    • 著者名/発表者名
      丸山 彩香
    • 雑誌名

      子どもの虐待とネグレクト 7・2

      ページ: 222-229

  • [雑誌論文] 育児における暴力,暴言の実態と背景要因の関係2005

    • 著者名/発表者名
      高窪 美智子
    • 雑誌名

      石川看護雑誌 3・1

      ページ: 11-20

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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