研究概要 |
1.HCVに感染するとC型肝炎を発症し、更には高い確率で肝がんへと進展すると言われている。A町(人口は約5,600、B地区人口は約1,100)の肝がん死亡件数を1981から追跡すると、増加の傾向がうかがえた。また、肝がんの祖死亡率、標準化死亡比(SMR)いずれでも、男女とも県レベルと比較すると高い値を維持していた。 2.長期にわたる疫学的調査研究の対照群の特性を明らかにした。倫理上の観点から同意書をいただくので、対照群集団はボランティアという位置づけになり、RCT(無作為割付)は不可能である。検討の結果、対照群登録者集団の一般住民と比較した特性は、以下のようなことが明らかとなった。(1)自覚症状の保有頻度には差が認められず、健康状態には差異が無いと考えられた。(2)健康生活に関する関心・意識を持った人が多かった。(3)地域活動をするなど生活に積極的な姿勢がうかがえた。 3.本研究の対象となる集団は高脂血症等の生活習慣病対策も必要な集団であり、生活習慣を改善・管理せねばならない共通点が認められる。生活習慣変容を自ら行い管理できるための支援の方法、生活変容を促す支援プログラムに対しての行動医学的な検討をした。行動特性の一つであるタイプA行動パターン群、タイプB行動パターン群の比較で、タイプA群がプログラムに従った生活変容できた割合が高かった。
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