我が国では平成9年より新しい地域保健法を施行し、市町村に管理栄養士が配置され住民の栄養指導業務を行うことになった。しかし、地域における栄養教育慣病の罹患率は年々増加していることからも、正しい食生活を実践するための栄養教育・栄養指導法の確立が望まれている。しかしながら、地域における保健活動に対する改善効果を求めた評価、報告は乏しく、どのようにその業務に取り組んでいくのか、その方法論は十分に確立されていない。そこで、異なる地栄養教育法の違いによる教育効果について検討し、本年度は、昨年度で得られた知見から教育内容等の調整を行い、教育効果の確認を行った。徳島県美馬郡脇町において脇町役場保健福祉課の協力のもと、集団を対象にした双方向型栄養教育法の確立を図った。介入前に採血および食生活アンケート、栄養調査を実施し、その後、双方向型栄養教育(2〜4週間ごとに3〜6ヶ月間)と従来の一方向型栄養教育を実施した。介入後に採血および食生活アンケート、栄養調査を実施した結果、双方向型栄養教育群は一方向型栄養教育群に比べ血清脂質レベルにおいて改善傾向が認められた。また、食生活のアンケート調査からも、双方向型栄養教育群の方が自身の食生活習慣を改善する意欲が高まったことが明らかとなった。以上のことより、生活習慣病を予防する上で重要な集団を対象とした栄養教育法は、双方向型栄養教育を用いることによりその効果を高める可能性が示された。
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