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2005 年度 実績報告書

高齢者施設入所者のMRSA感染に対するインフルエンザワクチンの予防効果

研究課題

研究課題/領域番号 15590554
研究機関札幌医科大学

研究代表者

鷲尾 昌一  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70347160)

研究分担者 森 満  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
キーワード高齢者 / 高齢者入所施設 / インフルエンザワクチン / 肺炎 / 入院 / 抗生物質 / MRSA
研究概要

1.インフルエンザシーズンにおける施設入所高齢者のMRSA感染の関連要因(症例対照研究)
03/04シーズンと04/05シーズンに1高齢者入所施設において、MRSA感染が認められた症例と認めなかった症例とを比較する症例対照研究を行った。MRSA感染群は非感染群に比べ、日常生活動作が障害されており、抗生物質注射薬の投与を受けた者が多く、38℃以上の発熱を呈した者が多かった。ほとんどの入所者がインフルエンザワクチン接種を受けているため、ワクチンの効果を検討できなかったが、MRSA感染予防には抗生物質の使用の機会を減らすことが重要であることが確認できた。
2.入所者にインフルエンザ罹患後にMRSA感染発症を認めた高齢者入所施設の特徴
2005年4月に04/05シーズンにおけるインフルエンザの罹患や流行とMRSA感染者の発症に関する調査を、北海道の全高齢者入所施設を対象に行った。入所者にインフルエンザ罹患後にMRSA感染を認めた施設は認めなかった施設に比べ、寝たきりの入所者の割合が高い施設が多く、入所者にインフルエンザの罹患、入所者の10%以上のインフルエンザ罹患、肺炎、入院を認めた施設が多かった。入所者や看護介護職員のワクチン接種率はいずれも高率で、両群間で統計学的に有意な差を認めなかった。両群とも感染対策委員会の設置率が高いのに対し、面会の家族や出入りの業者にワクチン接種を勧奨している施設は少なかった。以上より、施設入所高齢者のインフルエンザ感染が予防できれば、入所者のMRSA感染予防に効果的であると考えられた。入所者のインフルエンザ感染を予防するには、入所者や職員だけではなく、家族や出入りの業者へのワクチン接種も必要と考えられた。
3.結論
以上より、施設入所高齢者のインフルエンザ感染が予防できれば、入所者のMRSA感染予防に効果的であると考えられた。感染対策委員会の設置の割合や入所者や看護介護職員のワクチン接種率が高い施設が多いのに対し、面会の家族や出入りの業者にワクチン接種を勧奨している施設は少なかった。入所者のインフルエンザ感染を予防するには、入所者や職員だけではなく、家族や出入りの業者へのワクチン接種も必要と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] インフルエンザシーズンにおける施設入所高齢者のMRSA感染の関連要因2005

    • 著者名/発表者名
      鷲尾昌一, 大浦麻絵, 森 満, 垣内英樹, 宮地佐栄, 東出俊之, 川原田 信
    • 雑誌名

      臨牀と研究 82

      ページ: 1828-1831

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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