研究課題/領域番号 |
15590557
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
板井 一好 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10048572)
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研究分担者 |
藤岡 知昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80173409)
小野田 敏行 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00254748)
小栗 重統 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60316354)
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キーワード | 人工透析 / 透析前血圧 / 透析後血圧 / 糖尿病性腎症 / 慢性糸球体腎炎 / 動脈硬化危険因子 |
研究概要 |
【目的】人工透析患者を対象とした悉皆性の高い地域疫学研究により、循環器疾患の危険因子を明らかにすることを目的とした。 【対象と方法】岩手県北部から中央部にかけての38市町村を含む地域の全透析施設(26施設)の成人透析患者1506名を対象とした。1透析施設を除いた25施設の1499名のうち1260名から研究参加の同意が得られた。病状の悪化や転院で登録調査ができなかった者及び血液検査ができなかった者を除いた1214名(80.6%)の調査結果を用いて解析した。登録調査は、調査員の面談による生活問診及び血圧測定、患者医療記録による患者属性、透析直前の採血による血液検査等からなる。なお、調査員は研究担当者が指導を行い、徹底して統一した方法による調査を実施した。 【結果】1214名の平均年齢は61.2±13.0歳で、男性が779名で平均年齢が61.1±13.1歳、同様に女性が435名で61.4±12.7歳であった。男女間で年齢差は認められなかった。BMIは男性が21.2±2.9、女性が20.2±3.1であった。透析導入後の平均期間は男性6.9±6.9、女性が7.1±6.5で全体で7.0±6.7であった。透析導入の原因腎疾患は慢性糸球体腎炎が30%、糖尿病性腎症が25%、腎硬化症が10%、多発性嚢胞腎が3.5%、原因不明が25%であった。合併疾患の割合は、心筋梗塞が5%、脳卒中が13%、閉塞性動脈硬化症が16%、高血圧症が87%、脂質異常が46%であった。糖尿病は男性で32%、女性で24%で男性に多かった(p<0.05)。糖尿病以外の合併疾患有病率に男女差はなかった。透析前の収縮期及び拡張期血圧値は、男性が155±23及び85±14、女性が155±25及び85±13であった。また、透析後のそれらは、男性が143±25及び80±14、女性が140±28及び79±14であった。今後追跡調査を行う予定である。
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