研究概要 |
経年的に反復測定され変化していく成長期の経年的な骨発育データは,対象児童ごとに変動が大きく,従来から行われてきた同一の線形回帰によるモデル適合では十分な解析が困難であることから,マルチレベルモデル(多重レベルモデル)の応用を検討し,成長期骨発育曲線の適正なモデル化を試みた。平成15年度において収集したデータとリンク可能なコホート集団のデータを,平成16年度に追跡収集した。また,別のデータ(院内栄養管理サービス)でマルチレベルモデルを応用した。 千葉県下の18市町村の子ども(小1〜中3,当該登録学童・生徒数55,464名,男児27,811名,女児27,653名)を対象に,平成13年1月〜平成13年12月に発生した学校管理下の骨折について検討した。平成13年における子どもの骨折の年間発生数773件(1.4%)で,うち男児(527件:1.9%),女児(246件:0.9%)であった。発生頻度は,学年とともに徐々に増加傾向を認め,男児では中1〜中2で,女児では小5〜小6で発生率のピークを認めた。また,発生月では5月,6月,9月,10月,11月で多く,発生場所は,男児では屋外の運動場が,女児では屋内の体育館が比較的多かった。発生時間帯は,部活動,体育,休憩時間,昼休み,放課後の順であった。発生理由は,転倒,落下,受け損ない,衝突,捻転の順であった。発生原因は,床・地面が最も多く,人やボールが続いた。発生部位は男女児とも上肢が目立ち(男児62.2%,女児70.4%),手指,前腕の橈骨,上腕の肩関節の順で多かった。その他に,下肢では足指,足,腓骨,脛骨が多く,また男児では鎖骨が6%強であった。さらに,米国のNational Osteoporosis Foundation(NOF)等が始めたキャンペーン『Powerful Bones. Powerful Girls.』(www.cdc.gov/powerfulbones/index_content.html)は参考に調査した。
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