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2004 年度 実績報告書

急性パラコート中毒による肺線維化の機構とその進展阻止治療薬の探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 15590571
研究機関旭川医科大学

研究代表者

塩野 寛  旭川医科大学, 医学部, 副学長 (20112451)

研究分担者 松原 和夫  旭川医科大学, 医学部, 教授 (20127533)
浅利 優  旭川医科大学, 医学部, 助手 (40360979)
キーワードパラコート / 肺障害 / 酸化的ストレス / ACE阻害作用 / 一酸化窒素 / アポトーシス
研究概要

パラコート(PQ)の急性毒性は肺及び腎障害を起こし、慢性毒性は中枢神経障害を生じることが知られている。各種抗酸化剤(vitamin C及びvitamin E)およびACE阻害薬(captopril、enalapril)は、PQ毒性を抑制し生存率を向上させた。そこで、hydroxypyrolineを肺線維化のマーカーとして検討したところ、各種抗酸化剤およびACE阻害薬であるcaptoprilによって著明にPQによる生成が阻害された。ACE阻害薬がPQの肺毒性を抑制するものと考えられた。そこで、その機序を解明するために、PQ投与2日および7日後の肺ホモジーネートにつて、SDS-PAGEを行った。Cleaved caspase-3およびnitrotyrosine抗体によって、ウェスタンブロットを行い、抗体で染まった蛋白をアクチンを指標として半定量化した。PQ投与によって、nitrotyrosine抗体に反応する蛋白質が著明に増加し、PQ肺毒性に一酸化窒素による酸化ストレスの関与が示された。また、nitrotyrosine抗体に反応する蛋白質は96Kdが最も強く、Mn-SODと考えられた。Mn-SODは、活性中心tyrosine残基を有し、ニトロ化されると活性を失うことが知られている。従って、PQによる酸化ストレスは更に増大されるものと考えられた。一方、アポトーシスのマーカーであるcleaved caspase(17および19Kd)は、わすかであるがPQによって検出された。これらの変化は、PQ投与2日後から著明に観察された。captoprilによって、これらの蛋白質の出現が著明に減少した。従って、ACE阻害薬は、PQによる酸化障害を防御し、PQ中毒時の治療薬として期待できるものと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 急性パラコート中毒による末梢毒性機構の解明とその阻止薬の探索2004

    • 著者名/発表者名
      清水恵子, 塩野寛他
    • 雑誌名

      日本法医学雑誌 58・1

      ページ: 77

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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