研究課題/領域番号 |
15590577
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 敏充 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50260592)
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研究分担者 |
玉木 敬二 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90217175)
打樋 利英子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20223571)
勝又 義直 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30109326)
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キーワード | STR / 混合斑痕 / マルチプレックス / 低分子化DNA / 日本人 / 遺伝的多型 |
研究概要 |
本年度は、"stutter band"が小さいとされている5塩基リピートの常染色体上のSTRのうち、市販の個人識別用STR増幅・型判定キットに含まれる4塩基リピートのSTRローカスとは少なくとも染色体のアームを異にし、文献上で日本人におけるヘテロ接合度が0.8以上のPenta E、Penta D、D10S2325ローカス及び、データベース検索により得られた第14染色体上のSTR (D14:仮名)を選択した。低分子化したDNA試料にも応用可能にするため、増幅産物が200bp以下になるように各ローカスで数種類のプライマーを設計した。銀染色法により最適と考えられたプライマーセットにおいて、4種類の蛍光色素を標識した。これらの蛍光標識プライマーによりマルチプレックスPCRを行い、そのPCR増幅産物を解析して、マルチプレックスPCRの条件決定を試みた。また、これら4ローカスについて、日本人96名のDNAサンプルから、キャピラリー電気泳動法あるいは銀染色法により型判定し、各ローカスのアレル頻度を算出し、ハーディ・ワインベルグ平衡からの乖離を検定したところ、乖離は観察されなかった。これらの頻度分布から算出された各ローカスのヘテロ接合度は、PE、D14、PD、D10で、0.9160、0.8330、0.8229、0.8125で、いずれも0.8以上の高い値であった。しかしながら、4ローカスのマルチプレックス化を新たにプライマー設計するなど種々試みたが、D14が非常に悪影響を与えることが判明したので、最終的にD14を除いたマルチプレックスを組むことに決定し、現在D14に代わる新たなローカスを選択している段階である。今後、PE、PD、D10については、日本人で観察された全アレルから塩基配列決定後、アレリックラダーを作成し、新たなローカスを加えたマルチプレックスシステムを構築・評価する予定である。
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