研究課題/領域番号 |
15590592
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
赤根 敦 関西医科大学, 医学部, 教授 (70202520)
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研究分担者 |
吉村 澄孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (70167005)
沖井 裕 関西医科大学, 医学部, 助手 (20121915)
吉田 学 関西医科大学, 医学部, 講師 (20122004)
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キーワード | Se式血液型 / 温度勾配ゲル電気泳動法 / ヘテロ二重鎖 / 対立遺伝子 / PCR / 一塩基多型(SNP) |
研究概要 |
本年はSe式血液型の遺伝子解析に的を絞り、第1に日本人の代表的な対立遺伝子であるSe、sejおよびse^<fus>について比較し、対立遺伝子特異的増幅法では塩基置換の位置により、遺伝子型によっては断片長の大きく異なる増幅産物しか増幅することができなかったが、逆PCR法を応用した塩基置換部位隣接-対立遺伝子特異的増幅法を開発したことにより比較的断片長の近い異なる長さの増幅断片としてより確実に検出・識別することが可能となった。 第2に、日本人に見られる対立遺伝子のSe1、Se2、sejおよび欧米人に特異的なseについてシークエンスを比較した。その結果、Se1と比較してSe2では^<357>C→T置換があり、sejでは^<357>C→T置換と^<385>A→T置換があり、seでは^<428>G→A置換があることから、GCクランプをつけたブライマーを用いてこれらの塩基を含む2種類の長さ(426bpと259bp)のDNA断片をPCR増幅し、Melt Map分析を行った。その結果いずれのDNA断片でも異なる融解温度を持つドメインが形成され、温度勾配電気泳動法で識別が可能であることを確認した。 実際に温度勾配電気泳動法を行ったところ、ヘテロ接合体試料では通常のPCR反応を行うだけでヘテロ二重鎖が十分量形成され、塩基置換が1個の場合はヘテロ二重鎖バンドが1〜2本、置換が2個の場合は4本出現し、対立遺伝子の識別が可能であるとともに、塩基置換の個数も推定できた。ホモ接合体試料は1本のバンドのみ検出されたが、異なる対立遺伝子の増幅産物と混合して再会合(95℃で加熱後50℃で保温)を行うと、該当するヘテロ二重鎖が出現し、ホモ接合体試料でも遺伝子型判定が可能だった。
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