研究概要 |
本研究では近年登場したDNAマイクロアレイ技術により、天然生薬構成成分のターゲット遺伝子を同定し、の生物学的作用をプロファイリングすることにより、「whole drugとしての生薬とpurifyされた各成分の作用がどのように違うのか?」といった問題の解決をin silico studyで行うことである。 1.我々は、まず、ヒト肝癌におけるDNAマイクロアレイ解析にて、アルゴリズムの開発・整備を行い多くの論文でその有用性を報告した(Lancet 2003, 0ncogene 2003, FEBS lett.2003, Int J Oncol 2004)。 2.膵臓癌細胞8株において、huU95A^<【○!R】>(Affymetrix, Santa Clara, CA)を用いた12600遺伝子のDNAマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現プロファイルを作成した。 この8株に対し、生薬黄連と主成分berberineのターゲット遺伝子のスペクトルを検討した。 すなわち、感受性(ID50)とその発現が相関する遺伝子の同定を行ったところ、一部の遺伝子は生薬黄連と主成分berberineの共通のターゲットであることが判明し、Int J Cancer(2003)にて報告した。 3.現在、黄連構成成分である(berberine, palmatin, groenlandicine, epiberberine, coptisine, berberrubine, columbamine, tetrahydroberberine)の分離作業は終了しており、その増殖抑制効果をMTT assayにて検討し、各ID50と発現量の相関する遺伝子をリストしていく作業が進行中である。
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