研究課題/領域番号 |
15590602
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (60153087)
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研究分担者 |
今西 二郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40112510)
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キーワード | Helicobacter pylori / 漢方薬 / 生薬 / エッセンシャルオイル / 薬剤耐性菌 / 補完・代替療法 |
研究概要 |
1、H.pyloriに対する漢方薬の効果 H.pylori標準株であるATCC43504株、臨床分離株であるCPY2052株を対象に、補中益気湯(TJ-41)、十全大補湯(TJ-48)、人参養栄湯(TJ-108)、黄連解毒湯(TJ-15)などの漢方薬あるいはオウギ、ニンジン、カンゾウ、チンピ、オウレンなど18種類の生薬のin vitroにおける抗菌効果を検討した結果、補中益気湯およびオウレン、ダイオウ、カンゾウに強い抗菌効果が認められ、薬剤耐性菌に対してもほぼ同様の抗菌効果を示した。また、10代以上の継代培養を実施しても生薬に対する耐性菌は出現しなかった。 2、H.pyloriに対するエッセンシャルオイルの効果 13種類のエッセンシャルオイルを対象にH.pyloriに対する抗菌効果を検討した結果、レモンバーベナ(Lippia alternifolia)およびレモングラス(Cymbopogon citratus)が強い抗菌活性を示し、薬剤耐性菌に対しても同様の効果を示した。その抗菌効果は濃度および時間依存性でありpH4〜7の条件においてはpHが低い程より強い抗菌活性を示した。また、クラリスロマイシン感受性株をそれぞれの薬剤含有培地にて継代培養した結果、クラリスロマイシン耐性菌は出現したが、エッセンシャルオイル耐性菌は出現しなかった。 以上の結果より、一部の漢方薬あるいはエッセンシャルオイルはH.pyloriに対して抗菌効果を示すこと、またその効果は抗生物質に対する耐性菌に対しても有効で、長期使用によっても新たな耐性菌の出現が認められないことが明らかとなった。
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