• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

胆汁酸によるアポトーシス調節作用と肝再生機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15590614
研究機関旭川医科大学

研究代表者

平野 史倫  旭川医科大学, 医学部, 講師 (60250552)

研究分担者 府川 悦士  旭川医科大学, 医学部, 助手 (60322913)
キーワード胆汁酸 / アポトーシス / 抗アポトーシス / NF-κB / カスパーゼ / IAP-1 / サイクリン / 細胞増殖
研究概要

本研究は胆汁酸によるアポトーシス・細胞増殖作用に関してアポトーシス関連分子や細胞増殖関連分子あるいは転写因子の側面から解明しようとするものであり、平成15年度から平成16年度の2年間で計画されている。本年度は、初年度にあたり胆汁酸によって活性化されるアポトーシス関連分子と抗アポトーシス関連分子、さらに細胞増殖関連分子について検討した。
その結果、胆汁酸は高濃度において肝細胞のアポトーシスを誘導するが、低濃度においてはむしろ肝細胞の抗アポトーシス作用や細胞増殖作用を誘導することが明らかになった。具体的には、高濃度胆汁酸ではカスパーゼ3やカスパーゼ9を強く誘導した。さらに、これら高濃度胆汁酸によるアポトーシス作用はカスパーゼ8阻害剤では抑制されず、カスパーゼ9阻害剤では抑制された。これらの結果から、高濃度胆汁酸によるアポトーシス作用は、ミトコンドリア障害性にアポトーシス経路が活性化されることを示唆していた。一方、低濃度胆汁酸において、肝細胞のアポトーシスはカスパーゼ活性化以前に転写因子NF-κBが活性化されることによって誘導される抗アポトーシス蛋白であるIAP-1によって阻害されることを明確にした。また、胆汁酸は他の抗アポトーシス蛋白として知られているLAP-2やXIAPを誘導しなかった。さらに、肝細胞において、低濃度胆汁酸は細胞増殖作用を有するサイクリンD1活性を強く誘導し、細胞増殖を促進することも推測された。従って、本研究は、従来から肝細胞の自己増殖作用は報告されているが、これらのメカニズムに生理的に存在している胆汁酸が肝細胞の抗アポトーシス・細胞増殖誘導を介して作用している可能性を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hirano F: "Inhibition of TNF-α-induced RANTES expression in human hepatocyte-derived cells by fibrates, the hypolipidemic drugs"Int Immunopharmacol.. 3(2). 225-232 (2003)

  • [文献書誌] Hirano F: "TNF-α induced RANTES chemokine expression via activation of NF-κB and p38 MAP kinase : roles of TNF-α in alcoholic liver diseases"J Hepatol.. 38(4). 483-489 (2003)

  • [文献書誌] 平野史倫: "アポトーシスの転写因子、特にNF-κBについて"肝胆膵. 46(1). 7-17 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi