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2005 年度 実績報告書

Crohn病の病因および新たな治療ターゲットとしてのカテプシンの意義

研究課題

研究課題/領域番号 15590616
研究機関秋田大学

研究代表者

飯塚 政弘  秋田大学, 医学部, 講師 (00241654)

研究分担者 渡辺 純夫  秋田大学, 医学部, 教授 (20138225)
キーワードCrohn病 / 病因 / カテプシン / peroxiredoxin
研究概要

平成16年までの研究により、われわれがクローニングしたカテプシン類似蛋白は1箇所の膜貫通ドメインおよびprotein kinase C(PKC)のリン酸化siteを有し、Crohn病患者の約40%が本蛋白に対し抗体を有していることが明らかにされた。平成17年度はさらに以下のような研究を行い、その成果を得た。
【方法】(1)カテプシン類似蛋白の遺伝子解析:カテプシン類似蛋白遺伝子を再度解析し、Crohn病患者血中抗体が実際に認識しているエピトープの候補を推測した。(2)エピトープ候補のアミノ酸を合成または購入し、真のエピトープを同定するため患者血清を用いてWestern Blot, ELISAによる解析を行った。【結果】(1)カテプシン類似蛋白は、カテプシンKとperoxiredoxin 6と高いホモロジーを有す2種類の蛋白により構成されていることが判明した。(2)カテプシンK蛋白全長およびperoxiredoxin 6のエピトープと推測される蛋白(20アミノ酸残基)を合成した。Western Blotの結果、Crohn病患者は予想に反してカテプシンKとは明らかな反応を示さず、peroxiredoxin 6蛋白と反応を示した。【考察および結論】Crohn病患者血中に認められたカテプシン類似蛋白に対する抗体のエピトープはカテプシン Kではなく、peroxiredoxin 6である可能性が高いものと考えられた。Peroxiredoxinはthioredoxin familyに属し、細胞を酸化ストレスから保護する作用を有していることが知られている。したがって、一部のCrohn病患者では自己の血中抗体によりperoxiredoxinが破壊され、酸化ストレスからの保護作用が低下して可能性が推測され、このことがCrohn病因と関連している可能性が示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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