研究課題/領域番号 |
15590650
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
坂口 孝作 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90235143)
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研究分担者 |
高木 章乃夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80359885)
白鳥 康史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70196624)
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キーワード | 肝細胞癌 / アポトーシス / インターフェロン / 5-FU / マイクロアレイ |
研究概要 |
【目的】肝細胞癌治療におけるインターフェロン(IFN)サブタイプ選択の必要性を明らかにする為、α2とα8および5-FUとの併用による肝細胞癌株でのアポトーシス誘導の相違について検討した。【方法】肝細胞癌株(Hep3B、PLC/PRF/5)培養上清にIFNα2・α8を1000IU/ml、5-FU10μg/mlを加え培養後アポトーシス定量を行った。JAK/STAT系及びP27^<Kip1>、P21^<Cip1>についてwestern blotting、caspase3・8・9の活性化について比色プロテアーゼアッセイ、ISRE活性化についてルシフェラーゼアッセイで検討した。また、IFN及びアポトーシス関連遺伝子のDNAマイクロアレイ(JGS社製)で遺伝子発現を解析した。【成績】Hep3BはIFN単独でα2に比べα8でアポトーシスが強く誘導された。PLC/PRF/5は、5-FUとの併用でα2よりα8で強くアポトーシスが誘導された。Hep3B細胞におけるマイクロアレイ解析ではα2とα8処理により生じる遺伝子発現プロファイルは異なるパターンを示していた。他方、Hep3BではJAK/STAT系、ISRE活性化・P27^<Kip1>、P21^<Cip1>の発現で両者に大きな差異は認められなかった。5-FUとの併用でcaspase3・8・9の活性化の程度がα2よりα8で高かった。【結論】肝細胞癌株に対しIFNα2とα8はアポトーシスを誘導しその程度及び5-FUと併用での増強効果は細胞株の種類により異なっており、これにはcaspase活性化の違いが関係していると考えられた。【今後の展開】caspase活性化の違いがIFNα2とα8で認められることが明らかになってきた。今後はこの相違がどのような情報伝達経路を介して生じているのか、IFN情報伝達経路とcaspase活性化の経路の関連を明らかにしていく。
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