研究課題
B型肝炎ウイルスのトランスジェニックマウスでHBs抗原パルス樹状細胞ワクチンの安全性とその効果を確認した後に、学内の倫理委員会へ健常人に対する樹状細胞ワクチンの投与に関するプロトコールを提出し、十分に審査された後に承認された。ヒトでの樹状細胞ワクチンめ作成方法:ヒトの末梢血から末梢血単核球を遠心分離し、IL-4およびGM-CSFを用いて一部自己血清を用いて培養し、樹状細胞を誘導した。HBs抗原が含まれるHBワクチンを用いて樹状細胞をパルスし、樹状細胞ワクチンとした。投与前にワクチン作成時の培養上清中にエンドトキシンなどがないことを確認した。樹状細胞ワクチンはヒト専用ワクチン作成専用室で、滅菌試薬を用いて作成した。健常人ボランティアへ十分なインフォームドコンセントを行った後に、樹状細胞ワクチンを皮下投与した。投与後倫理委員会に提出したプロトコールに従い他自覚症状の確認に加えて血液検査を実施した。副作用を疑う他自覚症状の出現はなく、また肝機能と腎機能検査などにも異常は見られなかった。抗核抗体の誘導や免疫グロブリンの上昇は見られず、自己免疫現象の誘発もなかった。健常人においてHBs抗原パルス樹状細胞ワクチンが安全であることを明らかにした。また2週間で抗原特異的な抗体の誘導を確認し、液性免疫誘導に効果があることを明らかにした。
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