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2003 年度 実績報告書

潰瘍性大腸炎におけるACFの発癌マーカーとしての意義とその遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590666
研究機関札幌医科大学

研究代表者

高山 哲治  札幌医科大学, 医学部, 講師 (10284994)

キーワード潰瘍性大腸炎 / ACF
研究概要

1.目的
潰瘍性大腸炎(以下UC)患者におけるaberrant crypt foci(ACF)の陽性率、数などを解析し、発癌のバイオマーカーとしての有用性を検討する。また、ACFの遺伝子解析を行い、その前癌病変としての意義を検討する。
2.方法と結果
(1)UC患者におけるACFの観察と病理組織学的解析
潰瘍性大腸炎患者を対象に、既報(N Engl J Med,1998)に従い拡大内視鏡を用いてACFを観察したところ、非UC患者のACFに比べてメチレンブルーに淡く染まるACFが観察された。病理組織学的には、核の腫大、disorientationなどを呈する、いわゆるdysplastic ACFが大部分であった。ACFの個数は、健常人では平均1.5個であったのに対し、dysplasiaを伴わないUC患者では平均5.7個と多く、dysplasiaを有するUC患者では平均12.9個とさらに増加していた。
(2)UC患者におけるACF, dysplasia,癌におけるhypermethylationの解析
UC患者のACF、dysplasia及び癌におけるp16,ARF, CSPG2,ER(estrogen receptor)などの遺伝子のメチル化の有無をBisulfite法により検討したところ、いずれにおいても50〜75%と高率にメチル化が認められた。
(3)UC患者のACF,dysplasia,癌におけるK-ras,APC,p53,β-cateninなどの解析
2-step PCR RFLP法によりK-ras遺伝子を検討したところ、いずれにも陽性率は20%以下であった。Truncation assayによりAPC変異の有無を検討したところ、いずれも変異は認められなかった。β-cateninの免疫組織染色を行ったが、いずれもその蓄積は認められなかった。
(4)UC患者のACF,dysplasia,癌におけるp53変異の解析
SSCP法により、ACF,dysplasia,癌のp53変異を検討したところ、それぞれ0%,60%,50%であった。
3.結論
UC患者のACFでは、p16などのメチル化が高率に認められた。Dysplasiaを有するUC患者では、ACF数が有意に多く、発癌のバイオマーカーになりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sagawa T, Takayama T, Niitsu Y, et al.: "Argon plasma coagulation for successful treatment of early gastric cancer with intramucosal invation"GUT. 52. 334-339 (2003)

  • [文献書誌] Nakajima T, Takayama T, Niitsu Y, et al.: "Reversa1 of Multiple Drug Resistance in Cholangiocarcinoma by the GST-π Specific Inhibitor : O^1-Hexadecyl γ-glutamyl-S-benzylcysteinyl-D-phenylglycine ethyl ester"Journal of Pharmacology Experimental Therapeutics. 306. 863-869 (2003)

  • [文献書誌] Terui T, Takayama T, Niitsu Y, et al.: "Induction of PIG3 and NOXA through acetylation of p53 at 320 and 373 lysine residues as a mechanism for apoptotic cell death by histone deacetylase inhibitors"Cancer Research. 63. 8948-8954 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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