研究概要 |
外科的に切除され、インフォームドコンセントの得られている特発性炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)ならびに、大腸悪性腫瘍で切除された腸管の健常部分を試料阻止、得られた腸管をホモジェネートし、試料とした。 昨年度に作成した免疫吸着カラムを用いて、上記試料からHLA-DP分子を分離し、その抗原決定基提示間隙に捕らわれている抗原ペプチドを、酸処理によって溶出する。試料溶液に2N HClを加えpH2.0とし、4℃にて24時間保存することによりHLA-DP分子の抗原提示間隙に結合しているペプチドがその間隙から解離してくる。次いで、分子量10,000の分子篩により低分子分画を分離し、凍結乾燥した。 Tandem mass analysisi HLA-DP分子の抗原提示間隙から抽出された抗原ペプチドをtandem mass分析によりアミノ酸の一次配列を検討した結果、潰瘍性大腸炎腸管からdiacylglycerol kinase (Escherichia coli), Orf5 (Ralstonia eutropha), HpFtsH (Helicobacter pylori)が、クローン病腸管からtransforming protein Jun-D (Human), RNA helicase 1 (Human), histidine decaraboxylase precursor (Lactobacillus sp.)、Clostridium toxin A (clostridium difficile)、F15G9.4 (Caenorhabditis elegans)、rice tungro bacilliform virus (rice tungro spherical virus)が認められた。
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