研究課題
基盤研究(C)
ガラクトサミン(GalN1g/kg体重)投与急性肝不全ラットではKupffer細胞のTLR4 mRNA発現は増強していたが,脾臓マクロファージ,肺胞マクロファージのTLR4 mRNA発現には変化がなかった。血清ALTはGalN投与後漸増し、これに平行して肝内TNF-α mRNA発現は増強し続けた。肝内TLR4 mRNA, CD14 mRNA発現も漸増した。次に、GalN(500mg/kg体重)およびLPS(E.coli O55:B55, 50μg/kg)を腹腔内投与してより重症な急性肝不全モデルをラットに作製したところ、24時間までに90%のラットは多臓器障害を伴う急性肝不全で死亡した。本重症急性肝不全モデルでは血清ALTは投与3時間後で著増し、24時間後にはさらに高値を示したが、肝内TNF-α mRNA発現は1時間後から増強し続けた。また、CD14 mRNA発現も1時間後から増強していたが、TLR4 mRNA発現は1時間後、3時間後は逆に抑制され、24時間後には前値に復した。一方、GalN+LPS投与直後にTLR4阻害剤E5564(1.0mg/kg体重)を投与しておくと肝障害は軽度にとどまるとともにラットは24時間後まで生存した。一方、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルラットでは線維化の軽微な早期からLevovist造影超音波後期相の造影能、latex beads食食能が低下する一方で、全肝TNF-αは増加し、肝内TNF-α mRNA、TLR-4 mRNA、CD14 mRNA発現はコントロール群に比して増強していた。以上の成績から急性肝不全、NASHモデルにおいて肝内TLR-4発現増強がみられ、innate immunityが肝障害の進展に関与している可能性が示唆された。
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