研究概要 |
バイオ人工膵皮下移植法の確立: 血管新生法の確立:皮下移植法の成功には皮下組織内における血管新生法の確立が必須であるため,血管新生法の検討を実施した. 1):すでに臨床応用について日本医科大学付属病院倫理委員会承認済であったゼラチンマイクロスフェアに塩基性繊維芽細胞増殖因子(b-FGF)を封入して徐放化したDDS製剤による血管再生療法を,難治性末梢動脈疾患であるバージャー病,重症糖尿病性壊疽に対して5例臨床応用を開始した.4週後の評価にて,術前にVAS80あった疼痛がVAS 0となり疼痛が除去出来し,16週後にはバージャー病の左第2指難治性潰瘍も綺麗に治癒した. 2):そして新たな血管新生療法の臨床応用として,自己骨髄幹細胞を使用した血管新生療法も実施した.現行のいかなる内科的及び外科的治療法でも治癒しない(no optional patients)重症難治性虚血肢(バージャー病,ASO,糖尿病潰瘍・壊疽,PSS)33例,重症冠動脈性疾患(狭心症,虚血性心筋症)10例に対して自己骨髄細胞移植による血管再生療法を施行し,その有効性及び安全性を示した.^<99m>Tc-tetorofosmine(TF) perfusion scintigraphy等による種々の評価法により,4週以後良好な血流増加を証明し,疼痛の消失,緩和,QOLの著明な改善をもたらした.さらに重症難治性潰瘍・壊疽に対して医療用ウジ治療(MDT)を導入した.これらの複合的治療法は,limb salvageのための新しい戦略となりうると考えられた.
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